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2010年10月

力を抜くということ(2)

それでは、どういう時に“力が入る”か考えてみます。

一番単純に考えると、日常生活で身体が固い人は、ダンスを踊っても身体が固まって身体に力が入ってしまいます。

こういう方は、普段からストレッチ体操をして関節を少しでも伸ばすように努力してください。

一般に行われている筋トレをする必要はありません。

よくあるのが、踊っている時にバランスが崩れていると、倒れまいとして無意識のうちに相手につかまり、力が入ってしまうことです。

良い形を作ろう、或はホールドを壊さないようにと思いすぎる人も、身体が固まって力が入ってしまいます。

これは難しいのですが、モダン種目の良いホールドというものは微妙に動いていて、不定形と言えるものなのです。

人前で踊ったりした時に緊張しすぎる場合、気持ちに余裕がない場合、一生懸命になりすぎても身体は固まってしまいます。

ですから、私たち教える方も、一生懸命になりすぎると生徒さんの身体を固くしてしまう原因にもなるので、気をつけなければいけないと、いつも反省しているのですが・・・

以上の多くは、無意識のうちに自分を守ろうという気持ちが、身体を固くしてしまう原因となっているといえるでしょう。

他には、男性によくあるのですが、女性をリードしようと思って手で相手を押したり、引っ張ったり、或はお腹で押したりする事も大きな力が入る原因となります。

更に、足で床を強く押さえたり、床を蹴ったりという動作も力が入る悪い動作です。

これらは、外に対して意識的に力を出している、攻撃的な身体の使い方といえます。

 

以上の事から、力が入り過ぎるという状態は、自分を守ろうとする場合と、相手を攻撃しようとする場合に多く起こるように思います。

正しい社交ダンスとは、自分を守り過ぎず、外にも攻撃しないように踊ることであり、それは心身共の“自然体”をめざすことであると私は思います。

力を抜くということ

皆さんは社交ダンスのレッスンを受けている時に、先生から「もっと力を抜いて」などと注意されたり、踊っている時に、相手に対して「もっと力を抜いてほしいな」などと思った事は多いのではないでしょうか。

ところが、踊っている最中に身体の力を抜くということはなかなか難しいことですよね。

上手く身体の力を抜いて踊れれば、先生に怒られずにすむし、相手にもいやな思いをさせずにすむし、だいいち自分がとても楽しく踊れるのですけど・・・

 

そこで、“力を抜く”ということは具体的にどういうことなのかを考えてみます。

ただ力を抜けば良いと思って、身体をデレデレとしてみてもダンスが踊れる訳がありませんよね。

力を抜くと言っても、全く力を抜いてしまうのではなく、良い力の入れ方のことを言うのです。

逆に、“力を入れる”ということを身体の解剖学的に考えると、関節と関節を繋いでいる筋肉(主にアウターマッスル)を縮めて、その2つの関節を固めてしまうことなのです。

そうすれば、力と力がぶつかり合うような格闘技では、相手を投げ飛ばす為に思いっきり相手に力をかけたり、スポーツでは、ボールを遠くに飛ばす為に思いっきり力を入れたりと、つまり外部に大きな力を出せるのです。

あるいは、床に投げ飛ばされたり、ボールに当たったりした場合には、関節を固める、つまり筋肉に力を入れることによって大きな怪我を防ぐことができるのです。

それに対して社交ダンスでは、相手は敵ではないし異性ですからできるだけ優しく接したいし、ボールを投げるのではなく自分が飛んで行くのですから、外に力を出す必要は全くありません。

また、踊っている最中に人とぶつかったり転んだりしても、社交ダンスではほとんど大怪我をすることはありません。

つまり、“力を抜く”ということは、関節と関節を開く、その為に、関節と関節を繋いでいる筋肉を伸ばすだけの力で良いということなのです。

姿勢でいうと、姿勢が悪いのは全く力が入っていないことで、皆さんがやかましく注意される背骨を伸ばした良い姿勢とは、椎骨の関節を伸ばしているのですから、良い意味での力を抜いた状態なのです。
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