“ねじる”と“ずらす”(1)

 学院の社交ダンスのクラスレッスンでは、必ず最初に行う準備体操がありますね。
これは、“2軸体操”という私のオリジナルの体操ですので、学院でだけしかやっていないと思います。
ですから、学院生でないとこれからの話は少し解りにくいのではないかと思いつつお話しいたします。

 新しく入会された生徒の方々は、初めのうちは何をやらされているのか理解できずに、ほとんどの方は、上半身に対して下半身を“ねじる”ようにやってしまいますが、
この体操は“ねじる”のではなく、身体を縦に2軸に分けて、左右の身体を“ずらす”ように動いてもらいたいのです。
うまくやると、やっている人も支えている人も身体が軽く、柔らかく、そして心地よい感覚になると思いますが、逆に上手く出来ていないと、2人とも力が入り、身体が衝突して、疲れてしまうと思います。
つまり、社交ダンスを踊っている時もこれと同じように、身体を“ねじる”のではなく、身体の左右を“ずらす”ようにして踊ると、身体から力が抜けて、そしてお互いに心地よく楽しく踊れるのです。

 具体的に説明しますと・・・肩を回すという動作は、腰に対して回転する動作、つまり“ねじる”動作になりますが、うまく肩を回しているように見える人は、ただ回しているように見えても、実は左右の鎖骨・肩甲骨をほんの少しだけ“ずらし”ながら回しているのです。
ですから、正確に言うと、回転しているのではないのです。
左右の鎖骨・肩甲骨を固めて回転している人は、身体に必要以上の力が入り、身体のバランスを崩し、良い運動ができないのです。
腰を回すという動作も、両足を揃えて両膝を伸ばしたまま回すと、骨盤が固まったまま脚から“ねじれ”ます。
両足両膝をうまく使うと、左右の骨盤が“ずれる”動きができます。

 レッスンのはじめに2軸体操をする時には、身体を“ねじる”のではなく“ずらす”という感覚を、ぜひ磨いてください。