歩く時の腕の動き

歩く時の腕の動きを考えます。
まず最初に、私たちは両手に荷物を持って歩いている時は、腕を振らないでも歩けます。
このように、最も大事なことは、歩く時には腕は主役ではないということの認識です。
社交ダンスのスタンダード種目では、ほとんど腕は使わないで動いているわけですから。(厳密にはいくらか動かしてはいます)

しかし常識的には、出る脚と反対の腕を振るように歩いていますが、それはなぜなのかを考えてみます。
例えば、両腸骨と仙骨が固まって一つになっていると、右足を出すと、腰が左へ回ってしまうので、バランスをとる為に反対の左腕を前に振ることになります。
しかし、両腸骨と仙骨を固めないでいれば、右腸骨を前に動かすように右足を出せば、腰に回転運動がおきないので、仙骨が前へ進み、左腕を振らなくても前へ歩けるのです。(前回説明済み)
ところが一般には、反対の腕を振ることによって、つまり腕が主役になることによって前進力がつくと勘違いされているのです。

あくまでも、歩く主役は下半身であって、その動きをしっかりつかんでから、それを助けるように腕を振ることが大事です。
では、腕を振らないでも充分に歩けますが、腕が空いているとブラブラしておさまりが悪いので、腕を振って歩こうとすると、どのように歩けばいいのか、ということになります。
ここでお勧めの腕の振り方を提案します。

例えば右腕の振り方ですが、左足前進した時に肘をまげて手がお臍の前あたり(正確には仙骨の前)にくるように、次に、右足前進した時に肘を斜め後ろに伸ばして、そしてその間で振ってください。
逆の腕も、その右左逆を行います。
ここで最大のポイントは、仙骨と手の位置関係です。
腕と反対の足が出た時は手を出来るだけ仙骨に近づけ、同じ側の足が出た時には手を出来るだけ仙骨から離すのです。
どうでしょう。
とても楽に速く歩けることが解ってもらえたでしょうか。
それを理解できると、ルンバ等でのフリー側のアームの動かし方が見えてくるはずです。