右利き左利き

 前回は、身体を右と左に分けて考えましたが、その続きです。
私たちは日常生活やスポーツなどで、自然に「軸足」を意識したり、或は多くの人は「右利き」とか「左利き」とかに分けられます。
しかし、私たち社交ダンスではどうだろうと考えると、そこには「利き手」「利き腕」「利き足」という概念が全くないのです。
それらをできるだけ無くすことを考えなくてはいけないのです。
例えばワルツでいえば、男性は右利きだろうが左利きだろうが、左手で女性の手を握り、右腕は女性の背中にコンタクトします。
その時に、右腕を強く使うことにより、女性を抱えてしまっている男性が非常に多く見られます。
ルンバでは、女性は利き腕に関係なく、多くのステップで、右手で男性の手を握り左腕はフリーアームとなっています。
その時に、男性の手を強く握ったり、押したり、引っ張ったりと、右手に力をかけ過ぎると、左腕のフリーアームを上手く動かすことができなくなります。
社交ダンスは、常に身体の右側と左側を同じように意識して使うことにより、身体に力が入り過ぎず、身体全体がバランス良く器用に使えて、軽やかに踊れるのです。

 子供の頃に、「利き腕を直すと言語障害になる」ということを聞いた覚えがありますが、本当にそうなのか私は疑問を持っています。
プロ野球の選手には、昔の王選手やイチロー選手、松井選手などのように、右投げ左打ちに超一流選手が多いようです。
私はその理由の一つとして、打つ時には身体を右に捩じり、投げる時には左に捩じることで、身体の歪みが少なく、左右のバランスが非常に良くなるからではないかと考えます。
ですから私は、日常でもできるだけ右と左を均等に使うように心がけています。
そのようなことを考えると、社交ダンスを上手く踊るには、できるだけ右と左を偏らずに使うことが大事であって、そのように踊ることが身体の歪みをなくし、本当の身体の健康にもつながるのだと思います。