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2013年6月

下腹筋と腸腰筋の拮抗力

そこで、身体をしっかりと伸ばして動かす為には、下腹筋と腸腰筋をどのようにシンクロさせて使うかということになります。

身体の後面における仙骨に相当するのが前面の下腹筋であり、又、後面における左右の腸骨に相当するのが前面の左右の腸腰筋だと考えてください。
この2つの筋肉を拮抗させて使うことが重要になります。
つまり、どのように動く場合でも常に、真ん中の下腹筋は上への力を働かせ、左右の腸腰筋は下への力を働かせるということです。
つまり、上半身は上へ、両脚は下へということになります。
身体が上がる時には、下腹筋の上への力が勝る為に下腹筋が主働力となり、腸腰筋が拮抗力となって、全体としては上がりますが、腸腰筋はあくまでも下への働きを失っていません。
逆に、身体が下がる時には、腸腰筋の下への力が勝る為に腸腰筋が主働力となって、下腹筋が拮抗力となり、全体としては下がることになりますが、下腹筋は上への働きを失っていません。


ところが、一般的によく見られる状態は、身体を上げる時に例えば膝を伸ばす時には、脚が主働力になり、つまり腸腰筋の方が主働力となってしまい、下腹筋と腸腰筋との間に拮抗力が働かずに緩んでしまっています。
これでは、上半身が伸びなくなってしまいます。
逆に、身体を下げる時に、例えば膝を曲げる時には、下腹筋が下に落ちてしまい、両方の間に拮抗力がなくなり、つまり腰が緩む、抜けるという状態になってしまいます。

腹直筋と腸腰筋

私たちが身体を動かす時には、腰周辺の動かし方が重要なポイントとなります。
今回も、少し難しいかもしれませんが、よく理解して身につけると、身体と踊りのグレードが数段上がってくると思います。

腰の動作ということでは、以前に仙骨と腸骨について考えましたが、これはどちらかというと身体の後面の動きなので、今回は腰の前面の動きについて考えてみます。

腰の部分の前面には恥骨以外に骨がないので、ここでは筋肉である腹直筋(一般には腹筋と言われています)と腸腰筋が登場します。
皆さんに「腹直筋は、どのあたりにある筋肉だと思いますか?」と質問すると、多くの方は、お臍のあたりから胸骨或いは肋骨の下あたりまでと答えます。
テレビなどで腹直筋自慢の人たちが、たくましく割れた腹直筋を見せる時に、皆パンツをはいていて、お臍のあたりから上を見せていますから、皆さんもそこが腹直筋だと思うのは当然だと思います。
しかし、実際には腹直筋とは、下は恥骨から上は胸骨・肋骨までの長い筋肉なのです。
ですから、腹直筋を自慢する方は、パンツをはかないで恥骨の上から腹直筋を全部見せてもらいたいですね・・・(冗談)
なぜこのような話をしたのかというと、 腹直筋の上部と下部では働きが少し違う
からです。
上部は胸骨・肋骨を持ち上げて胸郭を広げる等の働きがあり、下部は恥骨を通して骨盤の動きをコントロールする働きがあるのです。
そこでこれからは、腹直筋をお臍あたりを境にして、上部を上(うえ)腹筋、下部を下(した)腹筋と区別して言うことにします。
一般によく意識されているのは上腹筋ですが、あまり知られていない下腹筋こそとても重要なのです。

次に、これも非常に重要な筋肉である腸腰筋について説明します。
腸腰筋は腸骨筋・大腰筋・小腰筋の3つの筋肉の総称で、これらの3つの筋肉はインナーマッスルであって、腰の中の方にあるので、普通では手で触ることはできません。
腸骨筋は腸骨と大腿骨の最上部を繋いでいる筋肉であり、大腰筋は腰椎あたりから大腿骨の最上部、小腰筋は腰椎あたりから腸骨の下部を繋いでいる筋肉です。
解剖学やWikipediaでは、“脊柱を前屈させる筋肉”などと説明していますが、運動学的にみると、股関節から脚を動かすための最重要な筋肉だと私は考えます。

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