下腹筋と腸腰筋の拮抗力

そこで、身体をしっかりと伸ばして動かす為には、下腹筋と腸腰筋をどのようにシンクロさせて使うかということになります。

身体の後面における仙骨に相当するのが前面の下腹筋であり、又、後面における左右の腸骨に相当するのが前面の左右の腸腰筋だと考えてください。
この2つの筋肉を拮抗させて使うことが重要になります。
つまり、どのように動く場合でも常に、真ん中の下腹筋は上への力を働かせ、左右の腸腰筋は下への力を働かせるということです。
つまり、上半身は上へ、両脚は下へということになります。
身体が上がる時には、下腹筋の上への力が勝る為に下腹筋が主働力となり、腸腰筋が拮抗力となって、全体としては上がりますが、腸腰筋はあくまでも下への働きを失っていません。
逆に、身体が下がる時には、腸腰筋の下への力が勝る為に腸腰筋が主働力となって、下腹筋が拮抗力となり、全体としては下がることになりますが、下腹筋は上への働きを失っていません。


ところが、一般的によく見られる状態は、身体を上げる時に例えば膝を伸ばす時には、脚が主働力になり、つまり腸腰筋の方が主働力となってしまい、下腹筋と腸腰筋との間に拮抗力が働かずに緩んでしまっています。
これでは、上半身が伸びなくなってしまいます。
逆に、身体を下げる時に、例えば膝を曲げる時には、下腹筋が下に落ちてしまい、両方の間に拮抗力がなくなり、つまり腰が緩む、抜けるという状態になってしまいます。