身体を3軸に分ける

  私たちの身体を2つの部分に分けるとすると、皆さんはどのように分けるでしょうか。
上と下、右と左、前と後、内と外・・・いろいろと考えられますが、多くの方は上と下、つまり上半身と下半身とに分けるのではないでしょうか。
それは身体のヨコ割りということで、現在、官公庁などではタテ割り行政が批判されていて、ヨコ割り行政にするように、などと言われていますね。
運動をするときにも、下半身をしっかりさせて上半身を動かす、武道や健康法などではそれを“上虚下実”と言ったりしますが、それが一般的、常識的な教え方だと思います。
しかし私は、身体を上半身と下半身に分けてしまうと、運動の動きが重くなり、特に身体を回転する場合は、身体をねじる動作になってしまい、運動のバランスが悪くなってしまうと考えています。
運動をする場合には、身体をタテ割りにして身体の動きを考える、そして回転する時には身体を“ずらす動作”をすることが重要であると考えます。
そこで、どのようにタテ割りをするかを説明します。

 身体の中にタテに3本の軸をイメージしてください。
1番目の軸は、頭のてっぺんから尾骨まで、具体的にいうと、頭蓋骨から頸椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨、その先は骨がないので骨盤底筋という筋肉群でつないで身体の前面に回り込み、恥骨、次も骨がないので下腹筋、上腹筋とつないで胸骨、胸鎖乳突筋などの筋肉でつないで、頭蓋骨にループ状に戻ってくる身体のセンターラインです。
センターと言っても、背骨だけではないことが重要です。
私はこれを、第1軸、或は中心軸と言っています。
2番目の軸は(左右どちらからでもよいのですが)、左上肢から、左肩、左肩甲骨、左鎖骨、そして直接つながっていませんが、左腸骨、左下肢へと続くライン、私はこれを第2軸、或は左軸と言っています。
そして、3番目の軸は同じく右側のライン、私はこれを第3軸、或いは右軸と言っています。

 上体を作っているのが第1軸で、第2軸と第3軸で身体を動かすのです。
重要なことは、いかにこの3つの軸をバラバラに、そして関連をもたせて動かすかということになります。