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2011年8月

パソドブレ(2)

 パソドブレは社交ダンスの種目の中では最もドラマチックである為に、トッププロの踊りを見ていると、それぞれのステップ毎に闘牛場の情景というものが目に浮かんでくるようです。
そこでは、男性は闘牛士であることは誰でも考えることですが、女性を牛だと思っている方が多いと思いますが、それでは女性が少しかわいそうな気がします。
実は、女性は牛、ケープ、闘牛士の影など、1人何役も多彩に演技をしているのだと私は解釈しています。
しかし、ステップ毎に役割が決まっているのではなく、踊る人が自分でそれぞれの場面でイメージして踊るものです。
それだからこそ、ダンスであり、又パソドブレが他の種目と違った面白味がある要因でもあると思います。
そういう訳で、私は私なりに闘牛場の情景をイメージして皆さんにレッスンをしています。

 そのヒントの1つとして、私はパソドブレのウォークに注目します。
ヒールから前進するウォークを、パソドブレではマーチ(行進)といいますから、これは闘牛士が行進している情景を表していると思います。
一方、ボールから前進するウォークがパソドブレではベーシックウォークというので、これは牛の歩いている姿だと考えます。
ですから例えば、シックスティーンの場合は、女性もヒールから前進していますから、これは牛ではなく、ケープなどの闘牛士側をイメージすることができます。
又、セパレーションの後半のように、女性がボールで前進する場面は、牛をイメージということになります。

 もう1つのヒントとして、同じステップでも、女性が男性の方を少し下から見上げる場合は牛をイメージし、男性と同じ方向を見る時は、ケープか闘牛士の影をイメージすることができると思います。
つまり、同じステップでも解釈を変えることによって女性の顔の向きが変わるということです。
他にもいろいろと考えられますので、皆さんもそれぞれご自分のイメージを持って練習してみると、もっとパソドブレが身近で楽しいものになるのではないでしょうか。

パソドブレ(1)

 今月の中級はパソドブレですね。
パソドブレは、好きな方と嫌いな方とが極端に分かれる種目ですが、たまに「パソドブレの月はパス!!」などと言って、休む不届きな方(言葉がきつくてすみません!)がいるように、苦手な方のほうが多いようです。
嫌いな理由としては、パーティなどで普段踊る機会が少ない為に、覚えてもしょうがないと考えるのでしょうが、サークルと違って学院としては、社交ダンスの正式種目は常識程度には踊れてほしいと考えています

又、うまく身体を使わないと、何をやっているのか手ごたえが掴めないということもあるようですが、逆に私としては、パソドブレは身体の使い方を教えやすい種目だと思っていますし、できてくるとパソドブレがかなり味わいのあるダンスだということが解ってくると思います。


 さて、パソドブレは皆さんもご存じのように、闘牛を表現している社交ダンスですので、少しでも闘牛についての知識が増すと楽しく踊れるのではないでしょうか。
そこで、少しばかり闘牛について説明しておきます。

 現代のような闘牛が出来上がったのは18世紀頃といわれ、スペインが本場ですが、以前はフランスやイタリア、そしてその植民地などでも行われていたようです。
闘牛のことを“コリーダ”といい、闘牛士はマタドール、トレーロ、エスパーダなどといろいろな言葉がありますが、マタドールが一番知られているようですね。
パソドブレのステップ名として使われるケープという布は、正式には“カパ”、闘牛士の見せ場である、牛に突っ込ませて体をかわすことを“パセ”。
とどめ用の短剣を“プンティーリャ”、とどめの一撃を“エストカーダ”といいます。
だんだんカッコいい闘牛士の姿が見えてくるようですね。
そのように闘牛というと、男性的、エキサイト、スペクタクル・・・というようなイメージがありますが、しかし、中世や近世の闘牛は、民衆の暴力趣味を満たすためのものでもあったので、物凄く残酷でグロテスクなものだったそうです。
しかし近年は、動物愛護団体だけでなく、社会的な反対運動もあって、かなりソフトな形に変わってきているということで、しかも、闘牛の開催も減少してきているということです。

“ねじる”と“ずらす”(1)

 学院の社交ダンスのクラスレッスンでは、必ず最初に行う準備体操がありますね。
これは、“2軸体操”という私のオリジナルの体操ですので、学院でだけしかやっていないと思います。
ですから、学院生でないとこれからの話は少し解りにくいのではないかと思いつつお話しいたします。

 新しく入会された生徒の方々は、初めのうちは何をやらされているのか理解できずに、ほとんどの方は、上半身に対して下半身を“ねじる”ようにやってしまいますが、
この体操は“ねじる”のではなく、身体を縦に2軸に分けて、左右の身体を“ずらす”ように動いてもらいたいのです。
うまくやると、やっている人も支えている人も身体が軽く、柔らかく、そして心地よい感覚になると思いますが、逆に上手く出来ていないと、2人とも力が入り、身体が衝突して、疲れてしまうと思います。
つまり、社交ダンスを踊っている時もこれと同じように、身体を“ねじる”のではなく、身体の左右を“ずらす”ようにして踊ると、身体から力が抜けて、そしてお互いに心地よく楽しく踊れるのです。

 具体的に説明しますと・・・肩を回すという動作は、腰に対して回転する動作、つまり“ねじる”動作になりますが、うまく肩を回しているように見える人は、ただ回しているように見えても、実は左右の鎖骨・肩甲骨をほんの少しだけ“ずらし”ながら回しているのです。
ですから、正確に言うと、回転しているのではないのです。
左右の鎖骨・肩甲骨を固めて回転している人は、身体に必要以上の力が入り、身体のバランスを崩し、良い運動ができないのです。
腰を回すという動作も、両足を揃えて両膝を伸ばしたまま回すと、骨盤が固まったまま脚から“ねじれ”ます。
両足両膝をうまく使うと、左右の骨盤が“ずれる”動きができます。

 レッスンのはじめに2軸体操をする時には、身体を“ねじる”のではなく“ずらす”という感覚を、ぜひ磨いてください。

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