仙骨の研究

ダンスを踊る上で、あまり一般的には意識されていないのですが、“仙骨”という骨がとても大事な働きをしています。
そこで先ず、仙骨について説明してみます。

仙骨とは、 2つの顔を持った骨なのです。
先ず1番目は、仙骨とは背骨(解剖学的には脊柱)の一部であって、その背骨は上から7つの頸椎、12 の胸椎、5つの腰椎、仙骨、尾骨から成っています。
仙骨は私たちが生まれた時には5つの骨であったものが、大人になるにつれて1つの骨に固まってしまいます。
これは、人間が直立姿勢をとるようになって、上体の重みがすべて仙骨にかかるようになってしまったという人間の進化の過程をたどっているのではないか、と私は考えます。
ですから、背骨としての仙骨の働きは、上体の体重を受け止めて骨盤から脚に伝えること、正しい姿勢を作ること、そして背骨は首の動きと連動しますので、首の動きにも大きな関わりをもっています

 
一方、仙骨は骨盤にも属しています。
私は骨盤と簡単に言っていますが、正確には2つの腸骨、仙骨、坐骨、恥骨から成っていて、そのうちの腸骨が股関節によって脚に繋がっています。
仙骨は仙腸関節によって2つの腸骨の間に挟まれていて、腸骨の動き、つまり脚の動きに重要なかかわりがあります。
仙骨は知名度が低いわりには、ずいぶんとたくさんの仕事をこなしていますね。
つまり、背骨と骨盤が繋がっている位置にあるのが仙骨ですので、私たちの上体の動きと下半身の動きと両方の仕事をしているのです。

今回は、仙骨の位置をしっかりと頭に入れておいてください。