今月の中級はパソドブレですね。
パソドブレは、好きな方と嫌いな方とが極端に分かれる種目ですが、たまに「パソドブレの月はパス!!」などと言って、休む不届きな方(言葉がきつくてすみません!)がいるように、苦手な方のほうが多いようです。
嫌いな理由としては、パーティなどで普段踊る機会が少ない為に、覚えてもしょうがないと考えるのでしょうが、サークルと違って学院としては、社交ダンスの正式種目は常識程度には踊れてほしいと考えています。
又、うまく身体を使わないと、何をやっているのか手ごたえが掴めないということもあるようですが、逆に私としては、パソドブレは身体の使い方を教えやすい種目だと思っていますし、できてくるとパソドブレがかなり味わいのあるダンスだということが解ってくると思います。
さて、パソドブレは皆さんもご存じのように、闘牛を表現している社交ダンスですので、少しでも闘牛についての知識が増すと楽しく踊れるのではないでしょうか。
そこで、少しばかり闘牛について説明しておきます。
現代のような闘牛が出来上がったのは18世紀頃といわれ、スペインが本場ですが、以前はフランスやイタリア、そしてその植民地などでも行われていたようです。
闘牛のことを“コリーダ”といい、闘牛士はマタドール、トレーロ、エスパーダなどといろいろな言葉がありますが、マタドールが一番知られているようですね。
パソドブレのステップ名として使われるケープという布は、正式には“カパ”、闘牛士の見せ場である、牛に突っ込ませて体をかわすことを“パセ”。
とどめ用の短剣を“プンティーリャ”、とどめの一撃を“エストカーダ”といいます。
だんだんカッコいい闘牛士の姿が見えてくるようですね。
そのように闘牛というと、男性的、エキサイト、スペクタクル・・・というようなイメージがありますが、しかし、中世や近世の闘牛は、民衆の暴力趣味を満たすためのものでもあったので、物凄く残酷でグロテスクなものだったそうです。
しかし近年は、動物愛護団体だけでなく、社会的な反対運動もあって、かなりソフトな形に変わってきているということで、しかも、闘牛の開催も減少してきているということです。