私はこれまでに、社交ダンスの踊り方として2軸という言葉を使ってきましたが、同じような考え方や言葉は他にもあるようです。
しかし、2軸という言葉は私が知る限りでは、平成15年に京大大学院人間・環境学研究科の小田伸午助教授が出版した「運動科学」という本の中で使われたのが最初だと思われ、この本を読んで、まさに社交ダンスを踊る時の身体の使い方の本質をあらわすものだと考えて、私も社交ダンスで使ってきたものです。
一方で、バレエ経験のある生徒さんたちやバレエ関係の書籍には、“センター”(2軸に対して1軸といえるでしょうか?)という言葉が有名で、よく使われているようです。
私も、バレエの長い歴史から生まれたこのセンターという言葉は、ものすごく重みのある素晴らしい言葉だと思います。
ただし、センターという言葉は、どちらかというと身体のつくり方を表していて、2軸という言葉は、動く時の身体の使い方を表しているという、微妙な違いがあると考えます。
これまでは、社交ダンス教師として、背骨を伸ばして姿勢を良くして動くことは、当り前であると考えてきたので、あえてセンターという言葉を使ってこなかったのですが、なかなか生徒さんたちにはその感覚が伝わりにくい、或は他のことを考えていると忘れてしまいがちになる、と感じてきました。
そこで、社交ダンスのいろいろな技術を皆さんに伝える上では、やはり、センターという意識を伝えないといけないのかな、と考えるようになりました。
これからは私独自の、2軸とセンターを合わせた、“3軸運動理論”というものを展開していこうと考えています。