仙骨と正しい姿勢

ダンスで身体をどう使うか、という以前に、日常の生活で身体をいかに使うか、ということを先に考えることも大事だと思います。
日常の生活で上手く身体を使っていればダンスは確実に上達するし、ダンスが上達すれば日常の身体の使い方や身のこなしが良くなってくると思います。

正しい姿勢の第1条件は背骨を伸ばすことになり ますが、姿勢の悪い方は背骨の正しい伸ばし方がわからないのではないかと思います。
ただやみくもに背骨をのばそうとしてもだめです。
胸椎から伸ばそうとしても力ばかり入って実際には伸びないし、腰椎から伸ばすと背中が反って出っ尻りになってしまいます。
背骨をしっかりと気持ちよく伸ばすには、仙骨から腰椎、胸椎、頸椎という順に上に伸ばしていきます。
その場合、両足で立っている時に重要なのは、仙骨がしっかりしていることです。

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仙骨をしっかりさせるには、骨盤を開く、つまり両方の腸骨でお尻を締めるようにすると仙骨がしっかりと固定されるので、背骨が上へ伸びるのです。 
私が生徒さんの背骨を伸ばす時には、両足のかかとをつけ、爪先を90度くらいに開いて立たせてから、両手で耳の下の付け根あたりを挟んで、グッと上へ持ち上げます。
当然、持ち上げている私は、自分の腸骨で仙骨をしっかりと押さえていないと相手を伸ばすことはできません。
上手く伸びると、伸ばされた方は、気持ち良く感じると共に、仙骨の位置を身体の中に感じると思います。

正しく立つことの応用として、“お辞儀をすること”があります。
日常では、頸椎からとか、胸椎からとかで簡単にお辞儀をしていますが、お辞儀が仕事の、例えばホテルマンなどは、仙骨から背中を倒して、とてもきれいにお辞儀をしますね。