久し振りに技術に関する話をしますが、今月の中級はタンゴを行っていますので、中級以上の方はレッスンの復習ということになります。
タンゴの特徴は、ワルツなど他のスタンダード種目に比べて、シャープな動きから、スパッと歯切れよく静止したと思った次の瞬間、スーッと動き出すという、切れのよい動きであるといえます。
その身体の切れの良さは何からくるかというと、力を入れて作り出すものではなく、関節を上手く動かすことにより生まれるのです。
ダンスに限らず、2足歩行で運動する場合は、すべて左と右の2軸を意識して動くことは近年の学院の一大テーマとなっていますが、タンゴにおいても例外ではありません。
タンゴでは、両足を揃える時にタンゴポジションというものがあります。
つまり、男女共に、左足に対して右足を一足分くらい後ろへずらすのですが、ここで大切なことは、左右の骨盤も同じように前後にずらすように意識することです。
少し勘違いすると、腰を右へ回してしまい、お臍が少し横に向いてしまいますので気をつけてください。
ここまでは、今までのレッスンで説明してきたと思いますが、次のことが今回新たに加わりました。
ずらすのは骨盤だけでなく、左右の肩甲骨・鎖骨をも前後にずらしてもらいます。
つまり、左の肩甲骨・鎖骨に対して、右の肩甲骨・鎖骨を少しだけ後ろへずらすのです。
やはり、その際に気をつけるのは、ホールド全体が少しでも右へ向かないようにすることです。
以上は、外から見てもほとんど解りずらいほど微妙な動きとなるのですが、組み合った人同士にはしっかりとした感じが解るし、この状態でウォーク・リンクやバックコルテなどを踊ると、非常に充実感のある動きを感じると思います。
タンゴにおいては、今述べたタンゴポジションのように、左軸に対して右軸が後ろへずれた形が多く出てきますが、ステップによっては、逆に右軸に対して左軸が後ろへずれた形も出てきます。
それらの動作がタンゴらしい切れのよい動きを生み出すのです。