身体の力を抜くということは、上体の肩周辺の部分を上手く使うことでもあります。
その肩周辺の骨とは、肩甲骨、鎖骨、上腕骨の3つからなります。
肩周辺の骨の動きはとても大事なのですが、それを説明する前に、一般的に肩という言葉が非常に曖昧に使われていると思いますので、そのことについて考えてみます。
広辞苑では、「人の胴体の腕が接する部分の上部」となっていて、何だかわかりにくい表現がなされています。
一般に考えられる“肩”の意味としては次の3つがあると思います。
1つ目(A)は、首のつけ根の付近から、いわゆる肩の先端の骨の近くまで。
肩が凝った時に揉む筋肉の部分、ショルダーバッグを肩にかける部分です。
2つ目(B)は、いわゆる肩の先端の部分。
肩幅を測る場合にはこの先端から測ります。
人とすれ違った時に、肩が触った触らないともめたりするあたり。
3つ目(C)は,AとBの両方の部分。
以上のように、肩という言葉はいろいろに使われているようですが、社交ダンスを踊る場合にはどのように考えるべきでしょうか。
教師試験の勉強をしたり、ダンスの技術書を読んだりしている方は、ショルダーリードという言葉をご存じだと思いますし、或は、タンゴでは前進ウォークの時に右のショルダーを先行させる等という言葉を使います。
これらの場合のショルダーつまり肩とは、一般にはBかCの部分と考えられているようですが、正確にはAの部分だと考えないと、正しいダンス技術は理解できないと思います。
私がダンスを教える時に、身体の部位を表現する言葉の数が足りないなと、いつも思うのです。